それでもヤギを飼いたい

生き物

なぜか昔からヤギが気になります。とある動物園で、あの横長の目に吸い込まれ、ヤギ舎の前で小1時間過ごしたこともあります。

家畜として10,500年の歴史を持つヤギ。日本では、牛のように肉や乳をとる目的ではなく、除草要員としての役割がメインのようです。また最近では、小型化した「ミニヤギ」がペットとして、じわじわと人気が出ています。

ヤギってどんな動物?

ヤギは哺乳類。お乳で子を育てます。

哺乳類はさらにいくつかのグループに分かれますが、ヤギは蹄を偶数持つグループ(鯨偶蹄類)に分類されます。なぜ「鯨」の漢字が入るのか、詳しくは別記事でお話しします。

さて、この鯨偶蹄類の一部は反芻胃を持っています。

反芻胃は、胃の中で食べ物を発酵させ、栄養価を高めてから腸で吸収することができます。この反芻胃を持つ動物を「反芻動物」と言います。牛、キリン、シカ、ヒツジ、そしてヤギも反芻動物です。

今から2000万年前頃、地球が寒冷化し、食べ物の宝庫=森林が減っても、反芻動物は平気でした。

食べ物に困る他の哺乳類を横目に、森林の跡地に広がった草地で、栄養価の低い草を食べて命をつなぎ、結果的に大繁栄しました。

私たち人類はもう少し後の時代(700万年前)に登場し、1万年前頃から家畜として反芻動物を利用するようになり、現在に至ります。

ヤギを飼うメリット

だからヤギは、草と水と少しの塩があれば生きられます。そう、あの庭や畑の厄介者である雑草がヤギのエサなのです。

しかも、放牧しておけば、自分で草を刈り取って食べてくれるので、草刈りの手間も引き受けてくれます。

夏になると、毎日数センチ単位で成長し、1週間後にはジャングルと化す畑。汗を流しながら、蚊と闘いながらの草刈りの労力が減るなんて!これはお掃除ロボット以上の価値がありますね。

ヤギに嚙まれた話

基本的に草しか食べないヤギ。でも、おなかが空いていれば草じゃなくても噛んでしまうようです。

とあるふれあい施設に遊びに行ったとき、柵の外に出ていた(首輪とリードはしていました)ヤギにTシャツをガブッと噛まれたことがあります。

上下のあごでしっかりとTシャツを挟み、口をモグモグ動かして離してくれません。 そう、ヤギはかたい草を刈り取れるくらいなので、歯もあごも強いのです。

引っ張るとTシャツが破れると思ったので、ヤギのあごを開けることにしました。口の周りをこちょこちょすると、ヤギが一瞬ひるんだのでその隙にTシャツを引き抜きました。

Tシャツに数ミリ小さな穴が開きましたが、大きなダメージはありませんでした。唾液でベトベトにはなりましたが…。もしこれが、肉食動物の歯だったらそうはいかなかったでしょう。

ヤギの上あごには前歯がない?

私のTシャツを噛んだヤギの歯。いったいどんな構造をしているのでしょうか?

ヤギの歯は草を食べるのに適した形をしています。

ヤギの前歯は下あごにだけ生えています。上あごに歯はなく、かたい歯茎があります。

上あごをまな板にして、下の歯を包丁にして草を切る、そんな感じです。 そして奥歯は、草をすりつぶすため、上下揃っています。

なるほど、だからあれだけがっちり噛まれたのに、小さな穴が開くだけで済んだのですね。

ヤギレンタルという選択

こんな思いをしても、私のヤギ愛は冷めません。

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いつかヤギを飼いたいと思いながら、住宅地の真ん中でヤギを放つのも気が引けます。まずはひと夏レンタルから始めて、様子を見るのもいいのかもしれません。 ヤギを迎えるには最低限、下記の準備が必要になります。

  • 柵か、リードをつないでおく杭の設置
  • 小屋の準備
  • 1頭 1か月 約1万円~+輸送費

ヤギを飼う注意点

ヤギは本来群れで暮らす動物なので、1頭だけだと寂しくて大きな声を出してしまうそうです。

2頭以上でレンタルするか、人間がこまめに触れ合うことが必要らしいです。

また、3週間に1度、2~3日間の頻度でくる発情期は、いつもより鳴き声が大きくなるので、ご近所への配慮が必要です。

  • ヤギはできれば2頭レンタル
  • 人間とのスキンシップが大事
  • 発情期は鳴き声が大きくなるので、ご近所にお声掛け必須

ミニヤギを飼うという選択

ペットとして人気上昇中のミニヤギも、エサは草で大丈夫です。

しかもミニヤギの場合、鳴き声もそれほど大きくなく、体も小さいので、大型犬用の小屋でも飼えるようです。

ペットショップでは取り扱いがないので、通信販売か近くの牧場に問い合わせてみるのがよさそうです。

まとめ

もしヤギを飼うことができれば、夏場の草刈り地獄から私を解放してくれて、癒しも与えてくれるでしょう。しかもミニヤギなら、住宅地でも飼いやすいかもしれません。念入りに準備を整え、いつか絶対、ヤギとの生活を実現したいです。

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