どうして食べないといけないの?

「どうして食べないといけないの?」と、子どもに言われて困ったことはありませんか? “生きている間は食べなければならない”ことは分かっていても、改めてその理由を問われると答えられないものです。この記事を読めば、お子さんの質問に自信満々で答えられるだけでなく、地球上の生きものすべての関係性がすっきり整理できます。ぜひ参考にしてくださいね。

生きるための“材料”と“燃料”を食べている。

つい忘れがちですが、食べもの=生きものです。穀物や野菜は「植物」で、肉や魚、そして私たち自身は「動物」です。すべての生きものには、体を作る“材料”と“燃料”が必要です。植物も動物も、炭素、水素、酸素、窒素の4種類の主要元素と、その他の微量元素を使っています。これらの元素を組み合わせることで、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった化合物を作ります(ミネラルは単体)。植物は空気と土から吸収した元素を材料に、光合成によって栄養(炭水化物)を作ることができます。動物は自分で栄養を作れないので、植物や他の動物を食べて取り込みます。だから、私たち動物は“生きている間は食べなければならない”のです。

ブロック遊びに例えればよく分かる。

次に注目したいのが、植物も動物も見た目はあんなに違うのに、生きるために必要な元素はよく似ているということ。なぜなら、地球上のすべてのものは、地球に存在するおよそ90種類の元素の寄せ集めだからです。元素をおもちゃのブロックに例えると、今地球上に存在するすべてのものは、付けたり外したり組み替えたりしながら、地球誕生から46億年かけて作られたさまざまな“作品”ということです。つまり、地球上の元素はみんなのものであり、分け合って使わないといけないのですが、驚くべきことに植物が光合成で作ってくれた炭水化物の1/4を人類1種で消費しているそうです。

食材としての植物と動物

繰り返しますが、私たちは植物が光合成で作ってくれた栄養を食べています。植物にはどんなものがあるでしょう。食材で言うと、米や小麦などの穀物、野菜、芋、豆、海藻、果物、ナッツなど、いわゆる「植物性食品」です。一方、「動物性食品」は、肉、魚、卵、乳製品。動物も植物を食べて栄養を得ているわけですから、動物性食品も元を返せば、植物のおかげで成り立っています。極端に考えると、「植物性食品」だけで生きられるのではないかと思われるかもしれませんが、タンパク質に関しては、すでに肉に合成された形で食べた方が、ずっと効率が良いのです。ただ、現代人は必要以上に動物性食品を摂りすぎていて、体にも地球にも負担をかけています。食のガイドライン「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」で、タンパク源を肉から豆中心へ移行させることが推奨されているのはそのためです。

まとめ:私たちは自分で栄養を作れない。

私たちが、肉体を持ち、その肉体を動かすには、栄養が必要です。残念ながら私たち動物は自分でその栄養を作ることができません。今のところ植物が作ってくれた栄養をもらうほか方法がありませんので、植物に感謝しながら大切にいただきましょう。また、それは人間だけのものではなく、他の生きものと分け合っているということも忘れないようにしましょう。ぜひ「いただきます」の時に思い出してくださいね。

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