一般的なレシピでは、“大根の皮は厚くむく”と書かれていることが多いように思います。
その理由は、皮のあたりは筋が多く、かたくておいしくないから。
大根の根の部分を輪切りにすると、皮付近に師部、その内側に木部があります。師部は養分の、木部は水の通り道(管)がある部分です。

大根は成長とともに木部が太くなる「木部肥大型」。
そのため、成長しても、師部は皮のあたりに薄く存在するのみです。
一方、同じ根菜でも、人参は師部が太くなる「師部肥大型」です。
師部は養分の通り道なので、栄養もうま味も満点です。師部をできるだけ残すように、人参の場合は“薄く皮をむく”のがよいと言われています。
でも、ここで「おや?」と思うのですが、大根の皮を厚くむいてしまうと、皮と一緒に師部も取り除いてしまうのではないでしょうか?
冒頭でお伝えした、大根の皮のあたりにある筋というのは、「形成層」と言われるものです。つまり、形成層を取り除こうと皮を厚く切ると、必然的に師部も取り除かれてしまうのです。なんともったいない・・・。

だから、大根の皮は決して捨てないでください。
細く切って炒めてきんぴらにすれば、皮のかたい食感も活かすことができますよ。
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