幼児期は「噛む力」を育てよう

健康

幼児食は「噛む」を意識しよう

幼児期は乳歯の数が増える時期です。幼児食後期にあたる3歳半~就学前には、乳歯20本が生えそろい、奥歯で食べものをすりつぶせるようになります。
大人とほぼ同じものが食べられるようになりますが、噛む力は大人の半分ほどです。噛む力を鍛えようと、硬い食材ばかりでは疲れてしまうので、献立の中に1品入っていれば十分です。また、硬い食材にこだわらなくても、噛めば噛むほど味が出る食材なら、自然と咀嚼回数が増えます。理想的な咀嚼回数は「ひと口30回」
咀嚼は消化器官や歯、あごの発達にも影響するため、幼児期はとくに重要です。よく噛むことで、早食い、食べ過ぎの防止にもなり、肥満や生活習慣病、虫歯の予防にも役立ちます。

噛む力を育てる食べもの

よく噛まないとのみ込めない「噛みごたえのある食材」や「噛めば噛むほど味が出る食材」で噛む練習をしましょう。硬い食材ばかりだと、疲れてしまい、丸のみの癖がつく場合も。白ご飯はそれほど硬くなく、噛んでいるうちに甘みがでてくるので、無理なく咀嚼回数が増やせるでしょう。

  • 嚙みごたえのある食材
    • きのこ、にんじん(生)、キャベツ(生)、きんぴらごぼう、海藻、ナッツ類、レーズン、ウインナー、肉、焼きサケ、食パンなど
  • 噛めば噛むほど味が出る食材
    • さきいか、白ご飯、雑穀ご飯など

噛む力が育ちにくい食べもの

  • ファストフード、市販の子ども用食品、汁のかかった料理(汁物、カレー、丼など)、レタス、キュウリ、トマトなどのサラダ

市販の子ども用食品はやわらかく作られていることが多いので、そればかり食べていると噛む力が育ちません。
汁のかかった料理もスルスルと食べやすく、あまり噛まなくてものみ込めてしまいます。
野菜サラダはブロッコリーやにんじんを足すと、噛みごたえのあるサラダになります。また、野菜はいため物やお浸しにすると噛みごたえが出るのでおすすめです。
このように見ると、結局のところ伝統的な和食は噛む力を育む点においても優秀ですね。

こんな場合は要注意!噛む力が足りていないかも?

食事中にぼんやりしたり、食べものを口に入れたまま噛むことを休んでいたりしたら、噛む力が弱いのかもしれません。噛む力を育てやすい食材を日常的にとり入れてみましょう。
また、水や茶ははじめから食卓におかず、水分で食べものを流し込む癖をつけないようにしましょう。大人が噛むところを見せたり、「よく噛もうね」とタイミングよく声掛けするのも効果的です。

まとめ

幼児期は乳歯が生えそろう時期です。大人とだいたい同じものを食べられるようになりますが、噛む力はまだ半分ほど。噛む力をつけさせようと、硬い食べものばかりだと疲れてしまいます。噛みごたえのあるものは、1食につき1品で十分です。噛むほどに甘みが出てくる白ご飯は、噛む力が弱くても咀嚼回数が増えるのでおすすめ。また、雑穀を混ぜると、いろいろな食感が楽しめて、自然と噛む回数が増えますよ。ご飯に主菜と副菜を合わせる伝統的な和食は、噛む力の育成にも効果的です。一口30回の咀嚼を目指しましょう。

参考資料:
外木徳子(2023):口腔機能発達のカギは「舌」の育成にある~離乳食期からの取り組み~,睡眠口腔医学May2023
髙橋摩理(2017):小児の摂食嚥下機能の発達とその障害,リハビリテーション・エンジニアリング32(4)
https://www.kewpie.com/assets/img/project/rd/innovation-story/2022_04/c_sec_img-03.pdf

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