無農薬野菜と有機野菜は未来への投資と考えよう。

「野菜はやっぱり無農薬、有機栽培じゃないとね!」と思っていても、「どんな野菜か説明して」と言われるとドキッとしませんか?野菜を購入するとき、“なんとなく”選んでいませんか?

この記事を読めば、慣行栽培された野菜と無農薬野菜、有機野菜の違いがすっきりと整理できます。そして自分が選んだ野菜で、未来を選ぶことができます。

食の安全性を気にかけている方、子どもたちの未来のために何かしたいと検討されている方はぜひ参考にしてくださいね。

野菜は生きもの。一般的な育て方・慣行栽培とは?

野菜は生きているので、育つための栄養が必要です。時には病気にもなりますし、虫や動物に食べられることもあります。

栄養は空気、水、土に含まれていて、野菜が自分で吸収しますが、それだけでは足りないので、人間が肥料で補っています。病気や食害は農薬で対処します。

雑草、生ごみ、ふん尿など、あらゆる有機物が肥料として昔から使われてきましたが、慣行栽培で使われているのは、20世紀のはじめに発明された化学肥料です。

化学肥料のおかげで、作物の成長が劇的に速くなり、1960年~2000年にかけて約2倍に爆発的に増加した人口を養うことができました。一方で、化学肥料や農薬をたくさん使うことで、土や水に棲む生物にダメージを与えたり、作物に農薬が残ったりという問題が生じています。

無農薬栽培、有機栽培とは?

化学肥料や農薬を使った栽培が「慣行栽培」でした。これに対して、栽培期間中に農薬を使わないのが「無農薬栽培」、化学肥料や化学的に合成された農薬を使用せず、かつ遺伝子組み換えを行わないのが「有機栽培」です。

有機栽培では、油粕や鶏ふんといった植物や動物由来の肥料(有機肥料)を使います。農薬は、JASで認められているものについては使用可能なので、有機野菜=無農薬野菜というわけではありません。

無農薬野菜、有機野菜のいいところ。

農薬の使用量が少ないため、野菜への残渣も少ない。つまり、野菜を食べることで体内に入ってくる農薬も少なくて済みます。環境への負荷、例えば、土作りをしてくれる土壌生物へのダメージも少ないので、土を失うことなく、持続的な食料生産が可能になります。

無農薬野菜、有機野菜で知っておいてほしいこと。

慣行栽培で育てられた野菜に比べると、無農薬野菜や有機野菜は一般に値段が高いです。なぜなら、栽培期間が長く、単位面積当たりの収穫量も少ない(一般には集約農業≒慣行農業の60%)からです。

有機肥料は化学肥料に比べて、じっくり時間をかけて効くので、栽培期間は長くなります。慣行栽培に比べて使用する農薬も少ないため、うまく育たない株も一定数は出てくるため、収穫量は少なくなります。

現在、有機農産物は慣行栽培品に比べて50~90%ほど高い価格で販売されています。

まとめ

無農薬野菜や有機野菜は収穫量が少なく、今、世界中の農業が一斉にこの農法に切り替えれば、現在の人口を養うことはできないでしょう。しかし、環境負荷の大きい慣行栽培を続ければ、土の生産性は失われ、いずれ食料を作れなくなります。

無農薬野菜や有機野菜を購入することは、未来に食料生産可能な土を残すための私たちができる行動のひとつです。子どものため、孫のため、ぜひ実践してくださいね。

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